11月は「過労死等防止啓発月間」です

平成26年通常国会にて成立、同年6月27日に公布された「過労死等防止対策推進法」の施行期日が、同年11月1日に決まりました。この法律に基づき、毎年11月が「過労死等防止啓発月間」と定められたのに伴い、厚生労働省では11月1日~11月30日の期間に「過重労働解消キャンペーン」を実施しています。

具体的には、どのような事をするのでしょうか?主な実施事項は、以下の通りです。

・労働基準監督署やハローワークに寄せられた相談の内容を基に、重点監督を実施

離職率が極端に高いなど、若者の「使い捨て」が疑われる企業等に対し、労働基準法等の法律違反が行われていないか重点的に監督します。監督の結果、法違反が認められた際には是正指導を行い、改善が見られない企業等に対してハローワークによる職業紹介の対象としない他、特に悪質な企業等に対しては書類送検することもあり得ます。

・電話相談の実施

→フリーダイヤルによる全国一斉の「過重労働解消相談ダイヤル」が11月1日に実施されました。この施策はすでに終了してしまいましたが、現在でも「労働条件相談ほっとライン」(委託事業)として相談や情報提供を受け付けております(電話番号のご案内はこちら)。労働基準監督署での電話相談が、祝日を除く月~金の8:30~17:15の間しか受け付けていないのに対し、この「ほっとライン」は月・火・木・金の17:00~22:00、土・日の10:00~17:00が受付時間となっています。労基署が開庁している時間帯には、なかなか電話をする時間が取れないという方も多いと思いますが、そのような方にとって大変便利な施策ではないでしょうか?また、PCメールによる情報提供も受け付けており、こちらは曜日や時間を問わず利用することが可能です。

・周知や啓発の実施

リーフレットの配布、広報誌、ホームページの活用により、国民に広く周知を図ります。

・企業における自主的な過重労働防止対策の推進

→事業主、企業の労務担当責任者等を対象に、東京や大阪など全国8か所で「過重労働解消のためのセミナー」(委託事業)を実施します。

以上が、今年の「過労死等防止啓発月間」の主な実施事項となります。ブログでも別途取り上げたいと考えておりますが、「過労死等防止対策推進法」は企業等の法違反に対して殊更に重い刑罰を科すような法律ではありません。そのため、「過労死等防止啓発月間」が定められたからといって、企業等の職場環境に劇的な変化がすぐに起きるわけでもありません。しかしそれでも、より働きやすい環境を労使間で築いていくための第一歩としては、大いに意義が有る施策ではないかと考えています。