個別労働紛争に関する相談

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個別労働紛争と裁判外紛争解決手続(ADR)

平成19年の社会保険労務士法改正により、特定の附記を得た社会保険労務士は裁判外紛争解決手続(ADR)の代理業務が行えるようになりました。

具体的には、都道府県労働局が行うあっせん手続の代理業務に加え、民間ADRセンター(宮城県の場合は、社労士会労働紛争解決センター宮城)が行う裁判外紛争解決手続の代理業務や、都道府県労働委員会が行うあっせん手続きの代理業務等が行えるようになったのです。

あっせん」という言葉に聞きなれない方も多くいらっしゃるかと思いますが、要は労使間でトラブル(個別労働紛争)が起きた際に、あっせん委員などの第三者を交えて、当事者同士の話し合いで解決しようということです。個別労働紛争だろうが何だろうが、労使間でトラブルが生じたら労働基準監督署に相談すれば良いんじゃないの?と思われる方もおられるかもしれません。確かに、賃金の未払いやサービス残業といった労働基準法違反のケースであればその通りです。しかし、解雇や雇止め、上司からのいじめ・パワハラ、賃金の切り下げといった個別労働紛争は労働基準法違反の問題とはならないため、労基署では当事者間に介入できないことになっています。そのため、労働基準監督署への申告以外の手段で解決を図らなくてはならないのです。

このような個別労働紛争が発生した際、従来は裁判で解決を図ろうとするのが主流でした。しかし、いざ裁判となると、膨大な時間と労力、そして出費を伴うことになってしまいます。個別労働紛争においては、当事者が欲している利益は社員としての地位や数十万円程度の金銭にすぎず、裁判に必要な長い期間や金銭的に大きな負担は、それに対する代償としては釣り合わないと言わざるを得ません。そのため個別労働紛争が生じても、特に労働者は裁判によって解決しようという判断にはなかなか至らず、泣き寝入りせざるを得ない状況に在りました。そうした事態への改善策として考え出されたのが、裁判外紛争解決手続なのです。

裁判外紛争解決手続の特徴は、簡易・迅速・低廉に紛争を解決しようとすることに有ります。裁判外紛争解決手続には、他に都道府県労働局長による助言・指導や労働審判といった手続きも有り、あっせんもその中の一つです。これらの紛争解決手段の中で、特定社会保険労務士が当事者(申請人と相手方、どちらでも)を代理できるのが、あっせん制度なのです。

あっせんの特徴

あっせんの特徴は、何といっても手続きの簡便さ解決までの期間の短さに有ります。あっせんを利用する際に必要な手続きは、都道府県労働局長等への申請書の提出だけです。裁判や労働審判などのように、膨大な証拠を用意する必要は特に有りません。申請書が受理されれば、あっせん委員会などの紛争解決機関が話し合いの期日を指定しますので、申請人と相手方はその期日に出席し、互いの思うところを主張しあいます。双方の主張が出そろったところで、あっせん委員は互いの妥協点を探りだし、その到達点(あっせん案)を提示します。このあっせん案を申請と相手方双方が受け入れることで、事件は解決となります。当事者同士で受け入れたあっせん案には、民法上の和解契約と同じ効力が有りますので、それ相応の拘束力と実効性が担保されているのです。

また、紛争解決機関が指定する期日は、書面を受理してから2~3週間程度です。当事者同士の話し合いの場を設けるのも、もっとも少なくて1回、多くても3回で済みますので、解決までの期間は非常に短いものとなっています。裁判になれば、解決までに数年間もの長い期間が必要になることも珍しくないので、この点では非常に使い勝手の良い紛争解決手段と言えるでしょう。

その反面、いくつかの欠点も存在します。その中で最も大きいのは、紛争当事者に対しあっせんへの参加義務が課されていないことでしょう。要は、紛争解決機関から話し合いの場に出席するよう要請を受けても、相手方が「嫌だ。参加しない」と言ってしまえばそれでおしまい、ということなのです。実際、都道府県労働局等に提出されたあっせん申請の内、およそ4割が相手方の不参加により未解決のまま打ち切られています。話し合いの場さえ設けられれば解決率は高いものの、そこに至るまでのハードルは決して低くはない、ということです。

また、当事者同士の主張を摺り合わせてその妥協点を見出す、という性質上、当事者の希望が全面的に認められるようなことはまずありません。例えば、申請人が慰謝料として100万円払ってほしいと希望していたとしても、相手方がそれをそのまま認めることは有りませんから、半分の50万円であるとか、30万円といった額で妥協しましょうというのがあっせん案なのです。そのため、当事者がどうしても自分の主張を曲げたくないという場合には、あっせんは必ずしも適していないということになります。

以上の点を総合すると、「なるべく簡単な手続きで、短期間のうちに解決したい。そのためには多少の妥協もやむを得ない」という人に適しているのがあっせん制度であると言えるでしょう。

あっせん代理人の依頼は当事務所へ!

当と事務所の社会保険労務士は、この個別労働紛争手続代理業務試験に合格し、特定の附記を受けています。解雇・いじめ・パワハラといった個別労働紛争でお悩みのお客様は、お気軽にご相談ください。初回の相談では、お客さまのお悩みが個別労働紛争に該当するか否か、解決に最も適した手段は何かを精査するにとどめさせていただいております。そのため、初回に限り相談料金はいただきません。

職場でのお悩みは、自分一人で抱え込まず他の誰かに相談するのが解決への一番の近道です。是非、当事務所に強談ください。ご相談の際は、022-718-8284までお電話いただくか、otoiawase@sharoushi-one.bizまでメールをお願いいたします。

2014年10月25日