支給申請時に必要となる3つの書類

前回に引き続き、今回も雇用調整助成金の申請手続きについてご説明します。今回ご説明するのは、支給申請時に事業主が用意する必要がある書類とその注意事項です。

支給申請時には、支給申請書や助成額算定書(いずれも厚生労働省が作成した様式を使用)に併せて以下の書類を添付する必要があります。
労働・休日の実績に関する書類
休業手当・賃金の実績に関する書類
所定労働日・労働時間・休日や賃金制度を確認するための書類

①の書類として提出するのは、出勤簿やタイムカードといった従業員の勤務及び休業の実績を確認できる書類です。また助成金の対象事業所において変形労働時間制やシフト制などを採用している場合は、勤務カレンダーやシフト表なども併せて提出する必要があります。
雇用調整助成金は、申請事業主が従業員を休業させた日に対して支払った休業手当を国が補填する制度です。そのため、助成金を支給する国としては、従業員が実際に何日分休業したのかを把握する必要があるというわけです。

次に②の書類ですが、これは申請事業主が休業した従業員に対して実際に支払った給料や休業手当の額を確認するために添付する必要がある書類です。具体的には、給料明細書や賃金台帳がそれに該当します。
またこれらの書類は、申請事業主が支払った休業手当が労働基準法に定める最低限度を下回っていないか否かを判断するためにも用いられます。そのため、計画届を提出する際に添付した休業協定書に
労働基準法第26条に定める額を支給する
といった趣旨が定められている場合は、判定基礎期間を含め前4か月分の賃金台帳などを添付する必要が生じますのでご注意ください。

最後の③の書類は、休業した従業員に適用される所定労働日や所定労働時間、賃金制度などを確認するために必要な書類です。
前述したように従業員の休業日に支払われる休業手当の一部を補助するのが雇用調整助成金ですが、そもそもその従業員が仕事を休んだ日が本来なら労働日だったのか、それとも最初から休日として定められた日なのかを判別できなければ、その日に対して助成金を支給するべきか否かが判断できません。
そのため、判定基礎期間内に休業した従業員の所定労働日や所定労働時間などを特定する必要が生じるというわけです。具体的には、労働条件通知書や就業規則、変形労働時間制に関する協定書などが該当します。

以上の説明で、勘の良い方なら一つお気づきの点があるかと思います。
この雇用調整助成金は、判定基礎期間における賃金の締め切りとその支払いが終わらない限り、支給申請できない仕組みになっているのです。
この助成金の支給申請期限が、支給対象期間(判定基礎期間のうち支給申請するもの)後2か月以内となっているのはそのためです。
今年5月6日に仙台放送のニュース番組にて
(4月末の時点で)約6,500件の問い合わせが寄せられているのに対し、申請を受理したのは48件で支給決定に至ったのはわずか6件に過ぎない
という趣旨の報道がありましたが、これは雇用調整助成金の仕組み自体が要因の一つになっているかと思われます。

今回と前回の2回にわたり、雇用調整助成金についてご説明してきました。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い制度の見直しを繰り返してきたこの助成金ですが、「休業手当の助成率を10/10にする」「提出書類を更に簡素化する」といった更なる見直しも予定されているようです。
(厚生労働書HP https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html)
申請時にお間違えの無いよう、常に最新の情報をチェックすることをお勧めいたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。

 

2020年05月16日