日本航空パイロット及び客室乗務員の訴え

元パイロットと元客室乗務員が日航を提訴

今月3日と5日の両日、2010年大晦日に日本航空(以下「日航」)から解雇(以下「本件解雇」)された元パイロット及び元客室乗務員らが労働契約上の地位の確認(平たく言えば「解雇の無効」ということ)等を求めた訴えに対し、東京高等裁判所が判決を下しました。東京高裁はパイロットと客室乗務員の双方の解雇について地裁の判断を支持し、原告の訴えを退けたようです。

この裁判でどのような論点が争われ、原告と被告がどのような主張を繰り広げていったのか見ていきましょう。今回の高裁判決の元になった地裁判決では、以下の2点が争点となりました。(客室乗務員に対する地裁判決の全文はこちら続きを読む

平成25年度 個別労働紛争解決制度施行状況

厚労省より、個紛解決制度に関する発表

今月30日、厚生労働省は、「平成25年度個別労働紛争解決制度施行状況」をHP上で公開しました。私が労基署で基準相談員を務めていた時期の統計であり、非常に興味深いデータです。

私が担当していた基準相談員の仕事と言うのは、賃金不払いやサービス残業に関する相談を受け付け、労働基準監督官の調査を希望する相談者については法違反の申告書を作成するという仕事でした。

個別労働紛争に関する相談を受け付ける相談員としては、労働局所属の「労働総合相談員」という職務の先生方が別におられ、基準相談員が電話や窓口で受け付けた相談の内容が個別労働紛争に該当する場合は、総合相談員に引き継ぐのが原則です。 続きを読む