特例コースだけじゃない!業務改善助成金(通常コース)制度改正のご案内

 前回の投稿にて、令和4年9月1日から業務改善助成金(特例コース)の受付を再開することと、申請の対象となる事業者の範囲が拡大されることについてご紹介しました。

 「特例コース」が有るということは、当然ながら業務改善助成金にも「通常コース」が設けられています。実は9月1日から制度が見直されたのは特例コースだけではなく、通常コースにおいても昨今の厳しい経営環境に配慮した見直しが行われました

 今回は、業務改善助成金(通常コース)の制度改正についてご説明いたします。

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マイナンバー改正法成立…その利用範囲はどのように広がるか

マイナンバー改正法、公開される

当ブログでも度々引用させていただいている、内閣官房の特設サイト「マイナンバー 社会保障・税番号制度」。去る9月10日、いわゆる「マイナンバー改正法」の全文と新旧対照表、そしてその概要がこのサイトで公表されました。

時期を逸してしまい、今更な感は若干否めませんが、今回の投稿では法改正によってマイナンバーの利用範囲がどのように広がっていくのかを取り上げてみたいと思います。 続きを読む

労働者派遣法改正案…イラスト付きで、より分かりやすく

改正労働者派遣法、三度目の正直なるか!?

去る9月8日、参議院の厚生労働委員会で労働者派遣法(以下、単に「派遣法」)の改正案が可決されました。既に衆議院で可決済みの改正案ですが、参議院で一部修正されたため、衆議院で再度審議する必要が有ります。予定では本日開催される衆議院の本会議にて可決されることになっていますが、この投稿を執筆している時点では可決されたとの報道は入っていません。

二度の廃案を乗り越え、遂に可決される見通しの派遣法改正案。その概要については、以前にも当ブログで取り上げました。しかし前回の記事では文章のみでご説明したため、せっかくお読みいただいた方にもその内容が今一つ伝わりにくかったのではないかと思います。

そこで今回の記事では、自作の画像を用いて、派遣労働の現場がどのように変わるのかをご説明することにしました。おととい投稿した記事で用いたのもそうですが、今回の画像も私のオリジナル作品です。繰り返しになりますが、所詮はデザインの素人が作った代物に過ぎませんので、出来栄えについてはご容赦ください…。 続きを読む

消費税軽減制度…マイナンバー利用範囲の拡大

財務省が消費税の軽減税率を検討

およそ3カ月ぶりのブログ投稿です。前回の投稿からかなりの間隔が開いてしまいましたが、その理由は別の記事でお書きしましたので、さっそく本題に入らせていただきます。

財務省が検討している「日本型軽減税率制度」の全容が、各種ニュースサイトにて一斉に報じられました。この「日本型軽減税率制度」をかいつまんでご説明すると、来年10月に予定されている消費税率10%への引き上げに際し、(酒類などを除いた)食料品等の税率を8%のままで据え置く制度のことを指します。

各種ニュースサイトで報じられている内容をまとめると、以下のようになるようです。 続きを読む

派遣法改正案…雇用安定措置は派遣労働者の未来を救えるか

労働者派遣法改正案の問題点

派遣法改正案は重要=塩崎厚労相

塩崎恭久厚生労働相は12日の閣議後記者会見で、野党が労働者派遣法改正案をめぐり、年金情報流出問題の審議を優先するよう求めていることに関し、「年金の流出問題も大事だが、派遣法改正案も多様な働き方を実現するために重要な法案だ」と強調した。その上で「今回は雇用安定措置、キャリアアップ措置も設けている。全体像を見て、政策意図をくみ取ってほしい」と述べ、法案への理解を改めて求めた。(時事ドットコム2015年6月12日 10時46分配信)

労働者派遣法の改正案が成立しようとしています。国会議員の数で劣る野党側は、法案を廃案に追い込むべく必死の抵抗を試みているようですが、それも空しく来週には衆議院で採決される見通しです。 続きを読む

労働契約申込みみなし制度…派遣先企業と派遣労働者との関係は

まとめサイト「togetter」より

当ブログにて、5月12日に掲載したエントリー『通知カードの受領拒否でマイナンバーは破綻する!?』。大変光栄なことに、facebookの「いいね!」を数多くいただくことができました。具体的な数字で言うと、このエントリーを執筆している時点(平成27年5月28日)での「いいね!」の数は実に360を超えています

この拙文が皆さまに読んでいただけるようになった経緯は分かりませんが、これほど多くの方々から評価を頂戴したことについては素直に喜びたいと思います。「いいね!」を付けてくださった皆さま、誠にありがとうございました

件のエントリーでは、twitter上で拡散されている或る「つぶやき」を取り上げました。その際に引用したのが、「togetter」というまとめサイトです。 続きを読む

「残業代ゼロ」対象者は今後拡がるか…改正案要綱より

「残業代ゼロ」法案、ついに閣議決定される

「残業代ゼロ」法案を閣議決定 裁量労働制も拡大

政府は3日、労働基準法など労働関連法の改正案を閣議決定した。長時間働いても残業代や深夜手当が支払われなくなる制度の新設が柱だ。政府の成長戦略の目玉の一つだが、労働組合などからは「残業代ゼロ」と批判されている。2016年4月の施行をめざす。

新しい制度の対象は、金融商品の開発や市場分析、研究開発などの業務をする年収1075万円以上の働き手。アイデアがわいた時に集中して働いたり、夜中に海外と電話したりするような働き手を想定しており、「時間でなく成果で評価する」という。

対象者には、(1)年104日の休日(2)終業と始業の間に一定の休息(3)在社時間などに上限――のいずれかの措置をとる。しかし働きすぎを防いできた労働時間の規制が外れるため、労組などは「働きすぎを助長し過労死につながりかねない」などと警戒している。(YAHOO!ニュース 4月3日(金)16時52分最終更新より一部抜粋)

いわゆる「残業代ゼロ」法案が閣議決定されました。この法案は同日付で衆議院に提出・受理されており、今後は国会で審議されることとなります。 続きを読む

労働者派遣法改正案…期間制限の変更は派遣労働者に何をもたらすか

 労働者派遣法改正案、三度の国会提出

少々古い話で恐縮ですが、今年3月13日、労働者派遣法の改正案が国会に提出されました。与党勢力が衆議院で3分の2以上の議席を有し、参議院でも過半数を占めている現状からすれば、この改正案が通るのはほぼ間違いなし…と言いたいところですが、ことはそんなに単純ではありません。

なにしろこの派遣法改正案ですが、過去に2回も国会に提出されており、そのいずれも廃案となっている代物なのです!しかも、どちらの場合においても法案の成立が確実視されていた情勢でした。条文の誤記や突然の衆議院解散といった不測の事態こそ有ったものの、「実際に可決されるまでは何が起こるか分からない」ことを改めて思い知らされます。 続きを読む

マイナンバー実務のポイント…本人確認、事前取得など

 マイナンバーと社員番号の関係

特定個人情報保護委員会のホームページで公開されている「特定個人情報の適正な取り扱いに関するガイドライン(事業者編)」(以下「ガイドライン」、全文はこちら)。このガイドラインの内容について、当ブログではこれまで3回に渡ってご紹介してきました。

まず最初に「特定個人情報の保護措置」、次に「安全管理措置(基本方針の策定~人的安全管理措置)」、最後は「安全管理措置(物理的、技術的)及び中小規模事業者に認められる特例的対応」です。

今回は、それらのエントリーで取り上げてはこなかったものの、実務において疑問点が生じたり何らかの問題が生じると予想されるポイントを、ピックアップしてご紹介していきたいと思います。また今回のエントリーをもって、ガイドラインの内容のご紹介を一区切りさせていただくつもりです。 続きを読む

特定個人情報等の安全管理措置と、中小規模事業者に認められる特例的対応

 物理的安全管理措置とは

特定個人情報等の保護のため、事業者に求められる「安全管理措置」。この安全管理措置の内、基本方針の策定取扱規定等の策定組織的安全管理措置人的安全管理措置については、前回のエントリーで既にご紹介しました。

今回は、残る物理的安全管理措置技術的安全管理措置について取り上げるとともに、中小規模事業者における特例的対応についてもご紹介したいと思います。 続きを読む