6月にブログ記事を投稿して以来、当ホームページに書き込むのはおよそ3カ月ぶりとなります。この間、本業の方で時間と労力を要する案件を抱えており、そのためにこちらへの対応がおろそかになってしまいました。心機一転、ウェブ上での活動を再開していきたいと思います。
さて少々古い話題になってしまって恐縮ですが、去る7月15日に労働新聞社様より発行された『安全スタッフ』誌上にて、私が執筆した記事が掲載されました。
「社労士が教える労災認定の境界線 第199回~特別加入者が長時間労働で脳内出血に~」という記事がそれにあたります。
著作権侵害に該当するおそれがあるので、本文については伏せさせていただきました。もっとも、せっかく掲載された記事の内容について全く触れないのも何なので、その概要を以下にご紹介させていただこうと思います。
今回取り上げたのは、或る中小企業の社長が長時間労働により発症した脳内出血が労働災害として認めれるか否か、という事例でした。元来、労災保険は労働者を守るための制度ですので、経営者などの「使用者」は補償の対象外です。しかしこの社長さんは社員と一緒に現場での作業にあたることも多かったため、「特別加入」という制度を利用して自らも労災保険に加入していました。
現場での作業に加え、経営者としての仕事もこなさければならない立場上、社長さんは日々長時間に渡って働いていました。その無理がたたったのか、3月初旬の或る朝、現場での作業を開始しようとしたところで脳内出血を発症してしまったのです。
すぐさま病院にかつぎこまれ、半年間の入院生活を送ったのち懸命のリハビリにも取り組みましたが、結果的に左半身に就労不可能なほどの麻痺が残ることとなりました。この脳内出血の発症が労働災害として認められるか…というのが、この記事のテーマとなります。
この事例において、大きな論点は二つ有ります。一つは「社長さんが特別加入の際に申請していた業務内容や所定労働時間の範囲内で起きた事故であるか否か」、もう一つは「長時間労働と脳内出血の発症とに因果関係が有るか」です。
この点についての詳しい考察は『安全スタッフ』誌上にてお読みいただきたいと思います。
手前味噌になってしまって大変恐縮ですが、今回の寄稿はかなり読み応えの有る出来になったと自負しております。もっともそれは私の文章力などによるものではなく、取り上げた事例が良かった(この言葉には語弊があるかもしれません)からだという事は弁えているつもりです。
中小企業においては、経営者が社員に混ざって現場での作業に当たっているケースも珍しくありません。この事例の社長さんに起きた出来事を、他人事ではないと感じられる経営者も少なくないのではないでしょうか?
当事務所では、労務管理やマイナンバーについてのご相談は勿論のこと、労災保険の特別加入についてもご相談を承ります。お聞きになりたいこと等ございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
また『安全スタッフ』誌上では、今回ご紹介した内容の他にも安全衛生に関する様々な記事が掲載されています。建設業や製造業など常日頃から安全衛生を意識している業種は勿論のこと、それ以外の業種にもオススメできる雑誌です。
労働新聞社様のホームページから無料サンプルを取り寄せることもできるようですので、一度『安全スタッフ』本誌を手にとって読まれてみてはいかがでしょうか。