職場でのパワハラ行為に対して懲戒処分ができますか?

 先日、パワーハラスメント(いわゆるパワハラ)に関して或る事業主様からご相談を受けていた時の話です。その事業主様は、相談の途中でこんな事を仰いました。

 「どんな行為がパワハラに当たるのか、もっと具体的な判断基準は無いのですか?

 皆さまも既にご存じの通り、今年4月1日から中小企業にもパワハラ防止措置を講じる義務が課されることになりました。これにより、全ての事業主は「パワハラに関するトップメッセージの発信」「パワハラ相談窓口の設置」「パワハラ発生後の迅速かつ適切な対応」などといった各種取組を進めていかなければならないのです。

 冒頭のご質問は、パワハラ防止措置のうち「職場のパワハラに係る事後の迅速かつ適切な対応」について当方がご説明している最中に発せられました。

続きを読む

パワハラ対策導入マニュアル…7つの取り組みとは

「対策導入マニュアル」が新たに追加

厚生労働省の委託事業として開設されたポータルサイト、「あかるい職場応援団」。このサイトからパワーハラスメント(以下「パワハラ」)に関する様々な情報が発信されていることは、以前のエントリーでもご紹介しました。

「あかるい職場応援団」にはダウンロードコーナーが設けられており、そこにアップロードされているパンフレットや各種様式は、パワハラへの理解促進や社内研修に活用する事ができます。 続きを読む

パワハラ自殺訴訟…福井地裁のケース

・福井地裁の判決

今朝8時ごろに配信されたyahoo!ニュースの中に、こんな記事が有りました(一部抜粋)。

消火器販売などの「暁産業」(福井市)で勤務していた男性社員=当時(19)=が自殺したのは上司のパワーハラスメント(パワハラ)が原因として、男性の父親が損害賠償を求めた訴訟で、原告の主張を認めて会社と直属の上司に約7200万円の支払いを命じた福井地裁の判決について、原告側が15日までに名古屋高裁金沢支部に控訴した。控訴は12日付。

判決は、男性が手帳に書き残した上司の発言を「典型的なパワハラ」と認定し、会社と、この上司に損害賠償の支払いを命じた。管理職の上司への請求は「パワハラの実態を把握するのは困難だった」と退けた。

続きを読む

パワハラについて、改めておさらいを

パワハラをめぐる現状

社会人としてすでに働いていらっしゃる方、もしくはこれから社会に出て働こうとする学生の方で、「パワー・ハラスメント」(以下「パワハラ」)という言葉を聞いたことが無い方はほとんどいらっしゃらないと思います。

数年前、初めて「パワハラ」という言葉がマスメディアに取り上げられた時には、主に使用者側から

この程度の言動がパワハラ扱いされるのか

仕事は辛くて当たり前、こんなことまで役所に口出しされては現場は立ち行かくなる

といった言葉が多く出されていたように記憶しています。しかし、「パワハラ」はその後も死語となることなく、世間に広く浸透していきました。今や、職場の問題を象徴する言葉として、「セクハラ」に比類するほどの浸透度合いと言って差し支えないと思います。 続きを読む