未払い残業代を払わせたい…申告・訴訟・労働審判

長年のサービス残業に耐えて働いてきたけど、もう我慢の限界。仕事を辞める決心が付いた。どうせ辞めるんだから、今までの未払い残業代もついでに請求してやれ…そう考える方は多くいらっしゃいます。しかし使用者に対して未払い残業代を払うように求めたところで、『ウチにはお金が無い』『残業の記録が残って無いから払う理由が無い』『○○手当に残業代を含めており、全部支払済みだ』と、剣もほろろに突き返されてしまうケースがほとんどと言って良いでしょう。

使用者からこのように切り返された場合、労働者一人の力でそれを更に覆すのは非常に困難です。まず不可能と言えるでしょう。それでは泣き寝入りするしか無いのでしょうか? 続きを読む

残業代ゼロ法案についての考察 その1

残業代ゼロ法案はどのようにして生まれたか

社労士の端くれとして無関心ではいられない、いわゆる「残業代ゼロ法案」。今日のエントリーでもこの問題を取り上げたいと思います。

そもそもこの「残業代ゼロ法案」、どのような場で、どのような人達が、どういう考えの下で提案したものなのでしょうか?まずはその部分から考察していきたいと思います。

今年4月22日、首相官邸4階の大会議室で「経済財政諮問会議・産業競争力会議合同会議(第4回)」が開かれました。こちらの「議事次第」を読むと、話し合われたのは(1)戦略的課題(労働力と働き方)と(2)歳出分野の重点化・効率化(社会保障)の2点。その内(1)において民間議員から提案されたのが「残業代ゼロ法案」だったようです。 続きを読む

長時間労働を招く?残業代ゼロ法案

残業代ゼロ法案の内容と様々な反応

昨今のマスメディアを賑わせている、いわゆる「残業代ゼロ法案」。その法案の内容には、以下のような特徴が有ると報道されています。

  • 労働時間の長さではなく、成果に対して賃金を支払う制度
  • 労働時間の総枠に制限を設けるタイプと、制限を設けないタイプの二種類に分かれる
  • 年収1,000万円以上の専門職は、労働時間の総枠に制限を設けないタイプの対象
  • 制度の対象となる労働者が、自らの希望によってタイプを選べる

これらの特徴の内、「年収1,000万円以上」という要件については、『対象者は幹部候補に限定した上で、年収要件は設けない方向に修正する』と報じるマスメディアも有るようです。 続きを読む