マイナンバー制度の本格運用開始
新しい年も明け、いよいよマイナンバー制度の本格運用がスタートしました。現時点では雇用保険・労災保険・税金に関する手続きに範囲が限られているものの、人を雇う側としては、役所に提出する書類に記載するべく従業員のマイナンバー取得・保管等の対応が迫られています。
マイナンバー制度の運用開始にあたり、各企業から様々なマイナンバー取得・保管サービスが提供されていることは以前にも当ブログで取り上げました。それら多種多様なサービスの中でも、従業員十人未満の小規模事業所にとって特に便利な対応手段となり得るのが、株式会社 日本法令さまより販売されている「マイナンバー取得・保管セット」です。
このマイナンバー取得・保管セットの概要については、以前のエントリーでご紹介いたしました。そこで今回は、以前宣言していた通り、実際の用紙を用いて同セットの具体的な使用方法をご紹介していきたいと思います。
なお当エントリーには、特定の企業の商品を殊更に宣伝する意図は一切無いことをあらかじめお断りしておきます。企業の規模や実情に応じ、例えばクラウドサービス等を利用するのも立派なマイナンバー対策です。あくまでも「マイナンバー対策の一つをご紹介する」以外に他意はございませんので、誤解無きようお願いいたします。
マイナンバー取得・保管セットの使用方法とは
さて今回は、株式会社ボイルドエッグ(仮称)に雇用されている筋肉 真弓(仮称)さんを例に挙げて用紙の記入方法等をご紹介していきます。会社は筋肉さんからマイナンバー取得するにあたり、必要事項を記入した「個人番号台帳兼届出書」を期限内に提出するよう命じます。
筋肉 真弓さんの家族構成は、本人の他に小百合(配偶者・仮称)さんと中(長男・仮称)さん、そして卓(次男・仮称)さんの全四名です。小百合さんは専業主婦、中さんと卓さんは未成年者の学生であるため、全員が真弓さんの扶養に入っています。会社に雇用されている真弓さんは国民年金第2号被保険者に該当するので、真弓さんに扶養されている配偶者の小百合さんは国民年金第3号被保険者となります。
以上を踏まえると、個人番号台帳兼届出書への記入は以下の画像のようになります。画像では分かりにくいかもしれませんが、第3号被保険者の欄は第3号被保険者本人(この場合は小百合さん)が記入する必要が有りますので注意してください。
個人番号台帳兼届出書は、ノーカーボンの2枚複写式になっています。よって記入の際にはある程度の筆圧が必要となるので、油性ボールペンを用いて記入するのが望ましいでしょう。万年筆や水性ボールペン等で記入すると、ペン先が用紙に引っかかって破いてしまったり、筆圧不足により上手く複写できないかもしれません。
個人番号台帳兼届出書に必要事項を記入したら、マイナンバー通知カードのコピーや本人確認書類のコピーを同封のうえで「個人番号取得用封筒」に封入します。
この際にご注意頂きたいのは、真弓さんと小百合さんとで本人確認(身元確認ともいう)の手続きに違いが生じるということです。会社と雇用関係にある真弓さんについては一定の条件の下で本人確認を省略する事も可能ですが、小百合さんについては原則として本人確認を省略することができません。よって小百合さんの本人確認書類のコピーは忘れずに同封する必要が有ります。
個人番号取得用封筒は郵送での提出にも対応しているので、表面に宛名や住所を記入して郵便料金分の切手を貼付すれば郵送する事も可能です。会社に直接提出する場合は宛名等を記入する必要は無く、紛失防止策として裏面に必要事項を記入しておくだけで足ります。
マイナンバー取得後は保管・廃棄の記録も
個人番号台帳兼届出書等の提出を受けたら、「個人番号台帳保管パック」に入れてバインダーに綴じ込みます。
画像をご覧頂いてお分かりの通り、個人番号台帳保管パックには覗き穴が設けられています。この覗き穴から社員番号・所属部署・氏名が見える仕組みになっているので、効率的な業務の遂行が可能となっております。
保管パックには、取得や追加、廃棄といった履歴を記入する欄が設けられています。マイナンバーを最初に取得した年月日を記入しておけるため、法律で定められた保管期限を容易に把握することが可能です。小百合さん達が扶養から外れたり、逆に扶養に入ることとなる親族が増えたりしたような場合には、保管パックの記入欄にその旨を記載していきます。
個人番号台帳兼届出書のマイナンバー記入欄にはミシン目が施されており、その部分だけを周囲から切り離すことができます。前述のように台帳に記された人物の一部についてマイナンバーを廃棄する必要が生じた際には、当該部分だけを廃棄し、残りの部分を引き続き保管することが可能です。
以上、マイナンバー取得・保管セットの具体的な使用方法をご紹介してきました。今回の記事は用紙の使用方法に主眼を置いて執筆したため、実務において注意すべきポイントのいくつかについては詳しく言及しませんでした。実際の事務手続きにおいては、事業所の実情や従業員の家族構成等によって様々な疑問が生じるかと思います。マイナンバーについてより詳しくお聞きになりたい際は、お近くの専門家やマイナンバー総合フリーダイヤル等へお問い合わせください。