会社に対し未払い残業代の支払いを求めるにはどうすれば良いのですか?

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いわゆる「未払い残業代」「サービス残業」といった問題は労働基準法違反が疑われる事案ですので、まずはお近くの労働基準監督署に労働基準法違反の「申告」をすることになります。

その際、会社から交付された労働条件通知書や給料明細、勤怠記録といったサービス残業の証拠になりそうな書面をできる限り多くご用意ください。

申告制度の詳細については労働基準監督署の担当者から詳しく説明されるはずですので本稿では省きますが、注意しなければならないのは、労働基準監督署は申告人(労働者)の代弁者ではないという点です。分かりやすく言い換えますと、労基署の監督官は必ずしも申告人のために会社からお金を取り立てる訳では無いのです。行政機関として労働基準法等の違反を取り締まる、というのが労働基準監督署の立ち位置ですので、会社側と労働者側のどちらにも付くことなくあくまで中立的な立場から法違反の有無を判断します

この点、裁判などにおける労働者側の弁護士とは立場が大きく異なる点です。労働者側の弁護士はできるだけ多くの未払い残業代を勝ち取ろうとするのが仕事ですから、労働者にとってなるべく有利な証拠を多く見つけようとします。そして依頼者である労働者が最大限の利益を得られるような主張を展開し、それに反するような使用者側の主張に対しては強く反論します。

しかし、労基署の監督官はそのようなことをしません。あくまでも中立的な視点に立って事実関係を調査し、そこで確認できた事実に基づいて法違反の是正などを求めていきます。そのため、事案によっては申告人にとって納得のいかない結果に終わる場合があるかもしれません。その場合は都道府県労働局の「あっせん制度」や労働審判、民事裁判などといった別の手段で解決を図ることになるのです。

当事務所では、これらの解決手段のうち「あっせん制度」の代理業務を承っております。この制度は誰でも無料で利用することができるようになっており、また労働審判や裁判と比べて非常に短期間での解決が期待できます

当事務所は個別労働紛争のあっせん代理業務に注力している社労士事務所です。ご興味をお持ちでしたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

2022年8月9日