年次有給休暇を使うために必要なこと

労働者の切実な悩み

「年次有給休暇(以下「有給休暇」)を使わせてほしい」

労働相談の現場で皆様から寄せられるご相談や、労働問題を取り扱っているwebサイト、検索キーワード等から察するに、「有給休暇を使いたくても使えない」というお悩みを抱えていらっしゃる方が多くいらっしゃるように思われます。

労働者の意識の変化に伴い、「仕事だけが人生の全てではない」という価値観が広く浸透してきた一方で、慢性的な長時間労働や休日労働により若者を「使い捨て」にする企業(いわゆるブラック企業のことを、厚生労働省ではこう表現しています)が、いまだ数多く存在しています。こういった企業で働き続け、精神的にも肉体的にも限界に近付きつつある労働者が、「少しぐらい休ませてほしい」と考えるのは至極当然と言えるでしょう。 続きを読む

年次有給休暇をとりたい方へ

有給休暇をめぐる現状

労働相談を受けていていると、皆さまから多く寄せられるのが『残業しているのに残業代を払ってもらえない』『仕事を辞めたいのに辞めさせてもらえない』そして『年次有給休暇(以下「有給休暇」)を使わせてもらえない』というご相談です。これらの問題は、(最近ではパワハラ・いじめも増えてきたものの)労働相談における三大テーマといっても過言ではないでしょう。

この三大テーマの中でも、皆さんからご相談をお寄せいただく度に「法律の内容を正しく広めなければ」と特に感じさせられるのが有給休暇の問題です。そこで、今回は『有給休暇を使わせてもらえない』という問題について取り上げてみたいと思います。 続きを読む

平成27年度の年金額改定率発表…その影響は

 平成27年度の年金改定率発表

先月30日、厚生労働省より「平成27年度の年金額改定について」という発表が有りました。この発表は、各種のマスメディアやブログ等でも既に取り上げられているため、どのような発表だったかご存じの方も多いかと思います。

実際にどんな内容だったかは、こちらをご覧になってください。

発表された内容をかいつまんで説明すると、要は平成27年度に支給される年金額の改定率が決まったという事です。平成26年度と比べて、0.9%引き上げられることになりました。具体的にどのように変わるかについては、以下のモデルケースで紹介されています。 続きを読む

平成25年度 個別労働紛争解決制度施行状況

厚労省より、個紛解決制度に関する発表

今月30日、厚生労働省は、「平成25年度個別労働紛争解決制度施行状況」をHP上で公開しました。私が労基署で基準相談員を務めていた時期の統計であり、非常に興味深いデータです。

私が担当していた基準相談員の仕事と言うのは、賃金不払いやサービス残業に関する相談を受け付け、労働基準監督官の調査を希望する相談者については法違反の申告書を作成するという仕事でした。

個別労働紛争に関する相談を受け付ける相談員としては、労働局所属の「労働総合相談員」という職務の先生方が別におられ、基準相談員が電話や窓口で受け付けた相談の内容が個別労働紛争に該当する場合は、総合相談員に引き継ぐのが原則です。 続きを読む

就業規則は会社の敵?味方?

ここしばらく、労働者側の視点に立った記事が続いていましたので、今回は会社側から見た問題を取り上げてみましょう。

仕事の現場で就業規則はどう扱われているか

私自身が見聞きした話もそうですし、他の社労士の先生方からお聞きした話もそうなのですが、会社経営者の方々には「就業規則は労働者になんか見せない」「鍵のかかる金庫や引き出しの中に仕舞ったまま」という人が少なくないようです。

おそらく、就業規則を労働者に見せてしまうことで、無暗やたらに年次有給休暇を要求されてしまったり、法外な額の残業代を支払うよう請求されてしまうのではないかという不安から、そのような行動に出てしまうのではないかと推測します。 続きを読む

小規模事業所の選択肢「マイナンバー取得・保管セット」

マイナンバー運用開始日迫る!各社の対応は

来年1月1日まで1ヶ月を切り、マイナンバー制度の運用開始がいよいよ間近に迫ってきました。「通知カードの配達が行きとどいていない」「転居先不明などの理由で、想定を超える量の通知カードが配達不能になった」「ほとんどの企業でマイナンバー制度への備えができていない」など、マスメディアの報道ではネガティブな情報が伝えられてはおりますが、ともあれ運用が始まる以上、各企業には同制度への対応が求められていることに変わりありません。

あらゆる分野でのIT化が進む昨今、マイナンバー管理においても多種多様なクラウドサービスが開発されているようです。私はITの専門家ではないので詳しい内容は分かりかねますが、各サービスの概要を拝見するに「マイナンバーの取得・利用・保管等の各プロセスが効率的に行える」「データを専用サーバーに保管することで、自社で特定個人情報を保管するリスクを避けられる」「保管期限経過に伴う廃棄が確実に行える」などといったメリットが有るようです。 続きを読む

安全管理措置の内容とは…マイナンバーガイドラインより

 ガイドラインに定める安全管理措置とは

当ブログでは、これまで二度に渡り、いわゆるマイナンバー制度について取り上げてきました。マインナンバーは極めてセンシティブな情報であり、そのために法律において各種の保護措置が取られている事は、前回のエントリーでご説明した通りです。

それらの保護措置の中で、今回は、事業者が講ずべき安全管理措置について取り上げたいと思います。前回に引き続き、「特定個人情報の適正な取り扱いに関するガイドライン(事業者編)」(以下「ガイドライン」、全文はこちら)の内容に基づいてご紹介していきます。 続きを読む

国民の大多数が受領!マイナンバー通知カード

通知カード、ほぼ全ての配達を完了

  • 男性が自らのマイナンバーをネット上に公開
  • マイナンバー通知カードの誤配や紛失が相次いで発生
  • マイナンバー対応を済ませた企業は全体の1割程度
  • 全国数か所でマイナンバー違憲訴訟が提訴される
  • 通知カードの配達予定が当初の計画より大幅に遅れる
  • 全国各地でマイナンバー詐欺が続発
  • 東京都葛飾区5千世帯分の通知カードが印刷漏れ
  • 制度開始まで1ヶ月を切っても約90万通の通知カードが未配達
  • およそ500万通の通知カードが自治体に返送される
  • 滋賀、静岡、秋田の184人分の通知カードが印刷漏れ

これらは全て、ここ1~2ヶ月の間にネット上などで報じられたマイナンバー関連ニュースの見出しです(文言の一部を書き換えています)。これらの見出しを見ていると、通知カードが全くと言って良いほど国民に行き渡らず、マイナンバー制度が今にも崩壊寸前であるかのような印象を持ってしまいがちです。 続きを読む

労働者派遣法改正案…期間制限の変更は派遣労働者に何をもたらすか

 労働者派遣法改正案、三度の国会提出

少々古い話で恐縮ですが、今年3月13日、労働者派遣法の改正案が国会に提出されました。与党勢力が衆議院で3分の2以上の議席を有し、参議院でも過半数を占めている現状からすれば、この改正案が通るのはほぼ間違いなし…と言いたいところですが、ことはそんなに単純ではありません。

なにしろこの派遣法改正案ですが、過去に2回も国会に提出されており、そのいずれも廃案となっている代物なのです!しかも、どちらの場合においても法案の成立が確実視されていた情勢でした。条文の誤記や突然の衆議院解散といった不測の事態こそ有ったものの、「実際に可決されるまでは何が起こるか分からない」ことを改めて思い知らされます。 続きを読む

労働者派遣法改正案…イラスト付きで、より分かりやすく

改正労働者派遣法、三度目の正直なるか!?

去る9月8日、参議院の厚生労働委員会で労働者派遣法(以下、単に「派遣法」)の改正案が可決されました。既に衆議院で可決済みの改正案ですが、参議院で一部修正されたため、衆議院で再度審議する必要が有ります。予定では本日開催される衆議院の本会議にて可決されることになっていますが、この投稿を執筆している時点では可決されたとの報道は入っていません。

二度の廃案を乗り越え、遂に可決される見通しの派遣法改正案。その概要については、以前にも当ブログで取り上げました。しかし前回の記事では文章のみでご説明したため、せっかくお読みいただいた方にもその内容が今一つ伝わりにくかったのではないかと思います。

そこで今回の記事では、自作の画像を用いて、派遣労働の現場がどのように変わるのかをご説明することにしました。おととい投稿した記事で用いたのもそうですが、今回の画像も私のオリジナル作品です。繰り返しになりますが、所詮はデザインの素人が作った代物に過ぎませんので、出来栄えについてはご容赦ください…。 続きを読む