業務改善助成金(特例コース)の受付再開と対象事業者の拡大につきまして

業務改善助成金とは

 去る9月1日から、業務改善助成金(特例コース)の受付が再開されるとともに、申請の対象となる事業者の拡大が行われました。

 通常コースの業務改善助成金は、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を一定額以上引き上げ、且つ設備投資等を行った中小企業・小規模事業者等に対し、その費用の一部を助成する制度です。賃金の引き上げ幅や対象となる労働者の人数によって助成上限額が30万円~600万円と幅広く設定されている一方、助成対象となる経費はやや厳格に設定されていました。

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働き方改革推進支援助成金の助成対象経費④~不支給となった事例~

 今回の投稿では、前回とは逆に助成金の支給対象にならなかった事例を3つご紹介します。

 前回と同様、業務上の守秘義務やプライバシー保護の観点から、あえて表現を曖昧にしたり、事実関係を一部改変している箇所が有りますのでその点はご容赦ください。また挿入している写真は全てフリー素材を使用しており、実在の会社や人物とは一切関係有りません

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働き方改革推進支援助成金の助成対象経費③~受給できた事例~

 前回の投稿では、働き方改革推進支援助成金の事業実施計画における「労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新」として認められる経費と認められない経費について詳しくご説明しました。

 今回はそれを踏まえ、私が実際に関与した数多くの助成金業務の中から、「こういう経費も助成対象になるのか」と皆さまが意外に思われるであろう事例を3点ご紹介いたします。

 なお業務上の守秘義務やプライバシー保護の観点から、あえて表現を曖昧にしたり、事実関係を一部改変している箇所が有りますのでその点はご容赦ください。また挿入している写真は全てフリー素材を使用しており、実在の会社や人物とは一切関係有りません

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働き方改革推進支援助成金の助成対象経費~OKな経費とNGな経費~

 厚生労働者が実施している助成金の一つ「働き方改革推進支援助成金」では成果目標の達成に必要な経費が助成金の支給対象となること、最大490万円にもなる支給額を最大限に活用するためには「労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新」を実施できるかが鍵となることを前回までご説明してきました。

 今回の投稿では、今一つ具体的なイメージが湧きにくい「労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新」について、厚生労働省のHPで公開されている各種資料を引用しながら詳しくご説明していきます。

 厚生労働省が公開している『働き方改革推進支援助成金申請マニュアル(2022年度)』では、「労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新」を以下の通り定義しています。

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令和4年度「働き方改革推進支援助成金」助成対象経費について①

 前回の投稿に引き続き、令和4年度における「働き方改革推進支援助成金」の注意点をご紹介していきます。

 既にご説明したように、「働き方改革推進支援助成金」では成果目標(「時間単位年休制度の新規導入」や「勤務間インターバル制度の新規導入・適用拡大」などコースによって異なる)の達成に向けた取組にかかる経費が助成金の支給対象となります

 この支給対象となる取組は、以下に挙げる7つのうち1つ以上を全ての対象事業場(成果目標の対象となる事業場)で実施することが必要とされています。

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令和4年度「働き方改革推進支援助成金」に関する補足

 

 先日公開した「 おすすめの助成金(令和4年度) 」にて、「前年度まで人気を博していた『働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)の支給上限額が引き下げられてしまいました」という趣旨の投稿をいたしました。

 当該記事でもご紹介したように、「時間単位年休制度の新規導入」や「ボランティア休暇や新型コロナウイルス感染症対策休暇など特別有給休暇制度の新規導入」といった取り組みに対する助成金の支給上限額が、それぞれ50万円から25万円へと引き下げられたことに違いは有りません。

 しかしそのことを強調するだけで記事を締めくくってしまうのは、この助成金の本質を見誤らさせてしまうのではないかという懸念が後になって生じたため、それを正すべく1点だけ補足させていただくこととしました。以下、その内容です。

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働き方改革推進支援助成金~団体推進コース~

 今回は「団体推進コース」をご紹介します。

 これまで取り上げてきた3つのコースは、いずれも一つの中小企業事業主が申請の主体になっていました。団体推進コースはそれらと異なり、事業協同組合や商工会議所、一般社団法人といった事業主団体が主体となって実施する働き方改革の取組に対して助成金が支給される制度になっています。

 このコースの対象となる事業主団体は、事業協同組合や信用協同組合、商工会議所、商工会、そして一般社団法人や一般財団法人といった法律に規定する団体は勿論のこと、構成事業主が10以上で組織され、共同する全ての事業主の合意に基づく協定書が締結されている共同事業主も含まれます。

 ただしいずれの団体であっても、1年以上の活動実績が有ることが求められますのでその点はご注意ください。要は、この助成金を受給することだけを目的に慌てて事業主団体を結成しても助成金は支給されないということです。

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働き方改革推進支援助成金~労働時間適正管理推進コース~

 今回は「労働時間適正管理推進コース」をご紹介します。

 このコースは、前回まで取り上げた2つのコースと異なり、令和3年度になって新しく設けられたコースです。申請マニュアルや交付要綱などといった文書では明言されていませんが、その成果目標から推測するに、改正民法の施行により未払い残業代の消滅時効が延長された(従来の2年から暫定的に3年へ延長)ことを踏まえての新設ではないかと思われます。

 その成果目標ですが、以下に掲げる3つの取組を全て実施することが求められています。

  1.  新たに勤怠(労働時間)管理と賃金計算等をリンクさせ、賃金台帳等を作成・管理・保存できるような統合管理IT システムを用いた労働時間管理方法を採用すること。
  2.  新たに賃金台帳等の労務管理書類(労働基準法第109 条に基づく記録の保存が義務づけられている書類のことをいう。)について5年間保存することを就業規則等に規定すること。
  3.  「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(平成29 年1月20 日策定)に係る研修を労働者及び労務管理担当者に対して実施すること。

 この成果目標を眺めていると以下のような疑問が生じてきます。

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働き方改革推進支援助成金~勤務間インターバル導入コース~

 前回に引き続き、令和3年度における働き方改革推進支援助成金のコース内容をご紹介していきます。
第2回は「勤務間インターバル導入コース」です。

 このコースの成果目標は、全ての対象事業場において休息時間が9時間以上11時間未満又は11時間以上の勤務間インターバルを導入することとなっています。

 ここで言う「休息時間」とは、一日の勤務の終業時刻から次の勤務日の始業時刻までの時間を差します。例えば所定労働時間が9:00~18:00(休憩1時間)で週所定労働日数が月~金の5日と定められている職場であれば、月曜日の18:00に仕事を終えてから火曜日の9:00に仕事を開始するまでの時間が一つの休息時間ということになります。

 この休息時間は所定労働時刻だけで決まるものではなく、遅刻・早退や残業などによる始業・終業時刻の変動によって変わります。例えば先ほどの例において、月曜日に1時間の残業をして終業時刻が19:00になった場合は、月曜日の19:00から火曜日の9:00までが休息時間ということになります。

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働き方改革推進支援助成金~労働時間短縮・年休促進支援コース~

 今回から、令和3年度の働き方改革推進支援助成金において用意されている様々なコースの内容をご紹介していきます。

 第1回は「労働時間短縮・年休促進支援コース」です。

 このコースは他と異なり、1つのコースの中に複数の成果目標が設定されています。その内容は以下の通りです。
 ①全ての対象事業場において、既存の特別条項付き36協定で設定されている時間外労働及び休日労働の上限時間を一定以下に短縮して管轄労基署に届け出ること。
 ②全ての対象事業場において、ガイドラインに規定された特別休暇制度(病気休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇、その他特に配慮を必要とする労働者のための休暇)のいずれか1つ以上の規定を就業規則にて新たに導入すること。
 ③全ての対象事業場において、時間単位年休制度を就業規則にて新しく規定すること。

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