派遣法改正案…雇用安定措置は派遣労働者の未来を救えるか

労働者派遣法改正案の問題点

派遣法改正案は重要=塩崎厚労相

塩崎恭久厚生労働相は12日の閣議後記者会見で、野党が労働者派遣法改正案をめぐり、年金情報流出問題の審議を優先するよう求めていることに関し、「年金の流出問題も大事だが、派遣法改正案も多様な働き方を実現するために重要な法案だ」と強調した。その上で「今回は雇用安定措置、キャリアアップ措置も設けている。全体像を見て、政策意図をくみ取ってほしい」と述べ、法案への理解を改めて求めた。(時事ドットコム2015年6月12日 10時46分配信)

労働者派遣法の改正案が成立しようとしています。国会議員の数で劣る野党側は、法案を廃案に追い込むべく必死の抵抗を試みているようですが、それも空しく来週には衆議院で採決される見通しです。 続きを読む

労働契約申込みみなし制度…派遣先企業と派遣労働者との関係は

まとめサイト「togetter」より

当ブログにて、5月12日に掲載したエントリー『通知カードの受領拒否でマイナンバーは破綻する!?』。大変光栄なことに、facebookの「いいね!」を数多くいただくことができました。具体的な数字で言うと、このエントリーを執筆している時点(平成27年5月28日)での「いいね!」の数は実に360を超えています

この拙文が皆さまに読んでいただけるようになった経緯は分かりませんが、これほど多くの方々から評価を頂戴したことについては素直に喜びたいと思います。「いいね!」を付けてくださった皆さま、誠にありがとうございました

件のエントリーでは、twitter上で拡散されている或る「つぶやき」を取り上げました。その際に引用したのが、「togetter」というまとめサイトです。 続きを読む

パワハラ対策導入マニュアル…7つの取り組みとは

「対策導入マニュアル」が新たに追加

厚生労働省の委託事業として開設されたポータルサイト、「あかるい職場応援団」。このサイトからパワーハラスメント(以下「パワハラ」)に関する様々な情報が発信されていることは、以前のエントリーでもご紹介しました。

「あかるい職場応援団」にはダウンロードコーナーが設けられており、そこにアップロードされているパンフレットや各種様式は、パワハラへの理解促進や社内研修に活用する事ができます。 続きを読む

「残業代ゼロ」対象者は今後拡がるか…改正案要綱より

「残業代ゼロ」法案、ついに閣議決定される

「残業代ゼロ」法案を閣議決定 裁量労働制も拡大

政府は3日、労働基準法など労働関連法の改正案を閣議決定した。長時間働いても残業代や深夜手当が支払われなくなる制度の新設が柱だ。政府の成長戦略の目玉の一つだが、労働組合などからは「残業代ゼロ」と批判されている。2016年4月の施行をめざす。

新しい制度の対象は、金融商品の開発や市場分析、研究開発などの業務をする年収1075万円以上の働き手。アイデアがわいた時に集中して働いたり、夜中に海外と電話したりするような働き手を想定しており、「時間でなく成果で評価する」という。

対象者には、(1)年104日の休日(2)終業と始業の間に一定の休息(3)在社時間などに上限――のいずれかの措置をとる。しかし働きすぎを防いできた労働時間の規制が外れるため、労組などは「働きすぎを助長し過労死につながりかねない」などと警戒している。(YAHOO!ニュース 4月3日(金)16時52分最終更新より一部抜粋)

いわゆる「残業代ゼロ」法案が閣議決定されました。この法案は同日付で衆議院に提出・受理されており、今後は国会で審議されることとなります。 続きを読む

フレックスタイム制と裁量労働制の見直し…業務への影響は

フレックスタイム制はどのように見直されるか

前回前々回に引き続き、労働政策審議会建議「今後の労働時間法制等の在り方について」(以下「建議案」)の内容を検証します。前回まで取り上げたのは、長時間労働の抑制策労働者の健康確保措置、そして特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)でした。今回は、フレックスタイム制の見直し裁量労働制の見直し、その他について見ていきます。

まずは、フレックスタイム制の見直しから。 続きを読む

労働者の働き過ぎ防止、年次有給休暇の取得率向上

「残業代ゼロ」だけではない!労働政策審議会の建議案

前回に引き続き、厚生労働省の労働政策審議会が作成した建議案の内容を検証します。各マスメディアにて「残業代ゼロ制度」と報道されている、「高度プロフェッショナル制度」については既に取り上げました。今回は、「働き過ぎ」防止策について書かれた箇所を引用し、その内容を検証していきます。

以下、建議案から一部引用します。省略している箇所について知りたい方は、実際の建議案をご覧になってください。 続きを読む

残業代ゼロ法案…健康管理時間は長時間労働の抑制につながるか

残業代ゼロ、ついに導入!?

「高度プロフェッショナル制」導入へ 厚労省、労働改革の報告書まとまる 28年4月の施行を目指す

厚生労働省は13日、労働時間ではなく仕事の成果に応じて賃金を決める新制度「高度プロフェッショナル制」導入を柱とした最終報告書を労働政策審議会の分科会に提示し、了承された。対象者は年収1075万円以上で、研究開発や金融商品のディーリングなど高度な専門業務に限る。同省は今国会に労働基準法改正案を提出し、平成28年4月の施行を目指す。(Sankei Biz 2015.2.13 20:52)

当ブログでも再三取り上げてきた、いわゆる「残業代ゼロ法案」。制度の導入に向け、更に具体的な動きが出てきたようです。 続きを読む

年金マンガは女性蔑視!?大手マスメディアとネットとのズレ

またも問題視された年金マンガ

厚生労働省のホームページに掲載されている、公的年金制度のPRマンガ「いっしょに検証!公的年金」(以下「年金マンガ」)。この内容に対し、特に若い世代を中心として反発が強まっていることは、以前のエントリーでもご紹介しました。

主にtwitterを中心として、ネット上でこの話題が盛り上がっていたのが先月の半ばごろ。その後は徐々に沈静化していき、少なくとも私の知る範囲では、この話題に関する投稿を目にする事も無くなっていきました。ところが、ここにきて再びこのマンガへの批判が高まってきたようです

ネット上での「旬」はとっくに過ぎ去っているのに、何を今更?という疑問が湧くところではありますが、一体どういう経緯で年金マンガへの批判が高まってきたのか見ていくことにしましょう。 続きを読む

平成27年度の年金額改定率発表…その影響は

 平成27年度の年金改定率発表

先月30日、厚生労働省より「平成27年度の年金額改定について」という発表が有りました。この発表は、各種のマスメディアやブログ等でも既に取り上げられているため、どのような発表だったかご存じの方も多いかと思います。

実際にどんな内容だったかは、こちらをご覧になってください。

発表された内容をかいつまんで説明すると、要は平成27年度に支給される年金額の改定率が決まったという事です。平成26年度と比べて、0.9%引き上げられることになりました。具体的にどのように変わるかについては、以下のモデルケースで紹介されています。 続きを読む

マタハラ訴訟…最高裁の判断とは

 マタハラ訴訟に対する厚生労働省の反応

妊娠後の降格など「マタハラ」…厚生労働省が通達

妊娠や出産などを理由とした職場での嫌がらせ、マタニティー・ハラスメントマタハラ)を防止するため、厚生労働省は23日付で全国の労働局に通達を出し、企業への指導を厳格化するよう指示した。

通達は、女性が妊娠、出産したり、育休を取得したりしてから近い時期に企業が雇止めや降格などをすると、原則として男女雇用機会均等法などで禁止するマタハラにあたるとする内容だ。

これまでは、企業が女性に不利益な扱いをしても、マタハラにあたるかどうかの明確な判断基準がなく、抜け道になっていた。(YOMIURI ONLINE 2015年1月23日 20時52分配信)

昨年10月23日に最高裁にて判決の出た、いわゆる「マタハラ訴訟」を受けての厚労省の動きです。このマタハラ訴訟の最高裁判決は、TVや新聞などの各種マスメディアでも大きく取り上げられ、「マタハラ」という言葉がこの年の「ユーキャン 新語・流行語大賞」の候補にノミネートされるほどの注目を浴びました。 続きを読む